美術装置製作進行実例8(特殊小道具編 その1-多種素材を工夫した舞台特殊小道具)舞台 撮影 大道具 小道具 スチロール 木工 美術装置製作進行過程 セントラルサービス

美術装置制作進行実例特殊小道具編.1|セントラルサービス

美術装置製作進行実例 特殊小道具編 1

美術装置製作の実際の作業風景-こうやって作る

美術装置実績ギャラリーでご覧いただく作品が[完成品=表舞台]だとしたら、こちらは[途中経過=舞台裏または楽屋]です。華やかな表舞台の裏では、必ず楽屋での入念な準備がなされています。
美術装置 大道具 小道具を舞台や撮影の本番に送り出す「セントラルサービス」の舞台裏。その製作進行過程をご覧ください。


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特殊小道具編 その1-多種素材で作る黒天使の羽

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真1

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ニコニコミュージカル#001 堀江貴文主演 博品館劇場「クリスマス・キャロル」のために特殊小道具 黒天使の羽 を製作しました。
今回の羽はかなり大型なので形状はもちろんの事、重量と装着時の安定性にかなり気を使って作りました。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真2

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製作の前に、様々なフォルムの模型を作って演出家の希望を確認します。
8パターンほどの見本模型を製作し、その中から選んでいただき、この形状に決まりました。
25分の1にて製作。サンフォームで曲面の形状まで解るように製作します。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真3

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材料を揃え、型紙から切り出します。
これまで天使の羽、悪魔の羽は何度か作ってきましたが、今回の羽は大物なので従来とは基礎形状の製作方法を変えてみました。
初めてのアプローチは試作や試行錯誤を繰り返しながらの作業になるので時間がかかります。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真4

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全体のフォルムもさることながら、装着時の強度と安定が一番大事。取り付けの基礎になるアルミ板から作り始めます。
3mmのアルミを切り出し、人体の背中から肩にかけてのカーブに合わせて曲げて行きます。(この時点では大体の感覚です)

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真5

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大まかな形が出来たら、トルソーボディーに当てながら、さらに人体にフィットするように曲面を修正していきます。
ただし、トルソーはリアルな人体とは大分形状が違い個人差もあるので、ここまで来ると感覚と経験での作業になります。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真6

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ホールドの仕方は色々考えられる処です。
肩部分のフックのみ、ランドセル方式、ウエスト部分でも固定した方が良いのでは?等々。
今回は衣裳のデザインの事も有り、肩部分のフックからたすき掛けにベルトを出す事にしました。色も衣裳に合わせてツートンです。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真7

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ホールドベースの作業が終わったら本体部分の形状を作り始めます。
薄いサンフォームで金網をサンドイッチにして張り込み、有る程度の形にした後、そのフォルムを固定するためにリム部分に厚いサンフォームを貼っていきます。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真8

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裏面も同様に、厚いサンフォームを貼って形状を決めて行きます。
このサンフォームの厚みは、完成時に羽の前縁の肉厚になります。羽をリアルに作るためには、この部分の肉厚が結構キーポイントになります。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真9

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正面側の外周全部にリムを貼り終えた所です。
トルソーに当てて全体のバランスを確認します。
これで全体のフォルムはほぼ決まってしまいました。もう、この後大きな修正は出来ません。ここまではかなり気を使った作業工程でした。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真10

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リム部分に貼ったサンフォームを、カッターで面取りしていきます。
この後、羽を貼り込んでいくので、あまり細かい部分にはこだわらず、大まかにならして行きます。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真11

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裏面も同様にサンフォームのリムで形状を決めて行きます。
正面側のリムで、かなり強度は付いているので、背面はセンター部分のみの補強で充分です。
この工程で、羽の開き角度が決まってしまいます。以後大きな修正は出来ません。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真12

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同様に裏面側のリムも面取りします。
細かい事は気にせず、鳥類図鑑等を見ながら、現実の鳥の羽の肉付きに準じたフォルムにしていきます。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真13

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本体部分基礎が完成したら、先に作っておいた装着ベースと連結します。
ボンド接着だけでは少々不安だったので細ボルトも5点ほど入れる事にします。
ボルトの重さだけでも相当重量に影響するので、なるべく軽い(細い)物を選んでワッシャーを入れ、しっかり固定します。これで下地部分が完成しました。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真14

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羽の貼り込み作業に入りました。
リアルに仕上げるためには、本物の鳥の翼を参考に、数種類の形状の羽を用意します。
羽は当然のことながら自然物なので、一本一本すべて曲がり方や、長さ、幅が違います。一本づつ吟味しながら適材適所で貼り込んでいきます。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真15

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背面も同様の工程です。技術は要らないのですが、相当時間のかかる作業です。
左右の翼の羽の流れ方も均等にしなければならないので、そこも気遣う所です。
終始、細かな羽毛が漂う事になるので、マスクが不可欠。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真16

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背面側の羽の貼り込みが終わりました。
ようやく先が見えてきた感じです。
(実際は、まだだいぶ時間がかかる事になるのですが)

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真17

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最後にリムの肉厚部分の羽を貼っていきます。
この部分の羽は一本づつのサイズが小さいので、思った以上に時間がかかりました。
この後、ドライヤーを当てながらヘアブラシで羽の毛先を整えて完成です。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真18

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完成写真正面。ボディーに装着してみて全体のバランスを確認します。
(とは言っても、もはやこの時点で不具合が有っても修正はほとんど出来ないのですが)
まあ、満足のいく仕上がりで、ひと安心。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真19

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背面から見た姿も美しく仕上りました。
全部で1200枚〜1300枚ほどの羽を貼り付けた事になります。
さて、納品のための梱包をして終了とします。

美術装飾製作実例 特殊小道具1写真20

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本番舞台写真。
出演者、お客様、プロデューサー様にも喜んでいただけましたようで、何よりです。



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